なかなか理解してもらえない専任媒介を再度ご説明

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不動産の購入や売却をご検討になる方は一度は耳にする言葉だと思いますが、不動産の媒介契約には3種類あり、

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

の3つがあります。一般的によく知られている言葉はこの中の「専任媒介契約」なのですが、インターネットなどでいろんな業者さんや法律家、ブログなどでも説明されているのですが、それでもなかなか理解してもらえていないことが多いので、こちらの記事をお読みいただける方には理解していただけるように頑張って説明してみようと思います。

専任媒介契約の間違い

ネットの情報サイトでも媒介契約を記載しているところがありますが、「専任」と書いているところはその”専任業者でないと扱えない”と思っておられる方がものすごく多いです。

「専任の物件は専任の業者でしか取り扱いできない」

というのは間違いです。また、時々こんなことをおっしゃる方もおられますが、

「専任の物件ではない場合、仲介手数料が高くなる」

これも間違いです。

なぜこのような間違った認識をされるかというと、その根本的な理由が

「専任の物件は専任の業者でしか取り扱いができない」という間違った認識がすべての間違った認識を引き起こしてしまっているのです。

専任の物件はほかの不動産業者でも扱える

では専任の物件は専任の業者以外の不動産業者が扱えるでしょうか。

A.扱えます。

それでは、不動産業者が2社になるので、仲介手数料を両方の業者に払わないといけなくなるのではないでしょうか。

A.違います。専任ではないほうの不動産業者に手数料を払えばいいです。

そうなると、専任の不動産業者は仲介手数料がもらえないのではないでしょうか。

A.いえ、もらえます。専任の不動産業者は売主さんから仲介手数料をもらいます。

ここまででご理解いただけた方は、もう大丈夫だと思うので、この後は読み進めなくても大丈夫です。

仲介手数料の流れ

仲介手数料というのは、売るときにも買う時にも発生します。そして、その上限は「成約価格×3%+6万円」と定められています。

  • 売りたい人は「成約価格×3%+6万円」を支払う。
  • 買いたい人は「成約価格×3%+6万円」を支払う。

もしもある仲介業者がその売りたい人と買いたい人を直接結びつけたとすると、売主さんと買主さんから「成約価格×3%+6万円」をもらえますので、仲介手数料が2倍になります。

  • 売りたい人は、買主さんを探してほしい。
  • 買いたい人は、希望の物件(を所有している売主さん)を探してほしい。

売りたい人と買いたい人がそれぞれ別々の不動産業者に依頼したとして、その依頼されたそれぞれの不動産業者が、共同で仕事をすることによって、売主さんと買主さんが結び付くわけです。お見合い相手を探してお見合いをセッティングするのと同じようなことですね。

その縁談がうまく成立すれば、売主さんと買主さんがそれぞれの不動産業者に報酬として仲介手数料を支払うわけです。ですから、買主は「成約価格×3%+6万円」、売主は「成約価格×3%+6万円」をそれぞれの不動産業者に支払います。

なので、”専任”で売りに出ている物件は、買主さんを探している売主さんが不動産業者に依頼するときに、

「私の担当を専任でやってください」

という意思表示をしているのです。逆のパターンもあります(現実的にはあまりありませんが)。例えば、

「私の家探しを、あなた(不動産業者)に専任でお願いします」

という、購入の専任媒介契約もあるのです。

あとは不動産業者同士が物件の情報交換をすることで、買主さんを紹介し、縁談を成立させることができます。

“専任”の物件であっても、ほかの不動産業者が取り扱いできる仕組みになっています。

専任の物件はむしろ他業者に公開しなければならない

法律では、専任で売却依頼を受けた不動産業者が、売主さんの利益をはかるために、広く不動産業者に情報を公開するように定められています。いわゆる”レインズ”にその物件を登録することによって、すべてのほかの不動産業者に情報を公開しなさい、と定めているのです。ですから、レインズを利用できる不動産業者であれば、ほかの不動産業者が依頼を受けている物件を扱うことができる仕組みになっています。

専任媒介契約であっても「その不動産業者でしか扱えないわけではない」のです。

レインズに加盟していれば(ほとんどの不動産仲介業者は加盟しています)レインズの物件をすべて扱える、つまりほぼ全部の流通物件を扱えるということです。ちなみに近畿レインズであれば近畿全域なので、遠くの物件も近くの不動産屋で紹介してもらうことができるということです。(その不動産業者が探してくれるかどうかは別)

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