私が仕事で利用している、平成15年式プリウス(型式NHW20)、走行距離約254,000㎞、かなり年季の入ったプリウスの、私の備忘録を兼ねたDIY整備記録です。
※私の勝手な思い込みで書いているものですので、ご参考にされるのは自由ですが、同じ作業をされる場合は自己責任でお願いします。また公式なものではないため何の責任も負えませんのでご了承ください。
経緯
何年か前に、補機バッテリーを交換しました。補機バッテリーというのは、ハイブリッドのバッテリーではなく、通常の車にも搭載されている、普通のバッテリーのことです。
その交換をしたあとに、なぜかエンジンが止まらなくなったのです。補機バッテリー交換と関係あるのかどうかわかりませんが、とにかくそのタイミングでエンジンが止まらなくなったのです。
エンジンが止まらないというのは、プリウスはハイブリッドですから、エンジンを使用しないときは、エンジンが停止しているのが通常なのですが、信号待ちで止まっていてもエンジンがかかりっぱなしなのです。
「エンジンがかかりっぱなし → ハイブリッドではなく、ただの自動車」
エンジンが止まらないのは、ハイブリッドの意味が全くなく、ハイブリッドの売りである”燃費”がぜんぜん伸びないので、物凄くストレスを抱えていました。
そういうときは、電源をいったん落とさないと、ハイブリッドモードに進みませんので、信号待ちで電源のオン・オフをしたりしていました。
プリウスに乗っておられる方はわかることなのですが、もう少しマニアックに説明させていただきたいと思います。
プリウスのハイブリッド段階
プリウスにはハイブリッドモードになるまでに段階があります。(こちらも私の勝手な解釈で書いておりますのでご了承ください。)
第1段階 暖気モード
プリウスの電源を入れると、エンジンがかかります。エンジンが暖まるまでの状態です。エンジンが自動的に止まるまでの段階のことです。普通に走ることはできますが、モーターでの走行が優先されるので、ハイブリッドバッテリーが消耗されます。ただ、踏み込むことでエンジンの暖気ではなく、回転も上がるので、通常走行にはなりますが、アクセルをゆるめてもエンジンは止まりません。
第2段階 ハイブリッドモード
エンジンの暖気も終わり、ハイブリッドになります。停止しているときはエンジンも止まり、アクセルを踏み込まなければエンジンは掛かりません。ただしバッテリーがなくなってくると自動的にかかります。この段階ではハイブリッドになっています。
第3段階 アイドリングチェック
いろんなサイトでもアイドリングチェックと呼ばれているようです。ある程度エンジンが温まってくると、走っている間にアクセルを緩めてもエンジンが止まりません。(時速60キロを超えてからアクセルをゆるめるとエンジンは停止します)たぶん時速5キロ以下くらいだと思うのですが、車を停止させて数秒経つと、ストンとエンジンが止まります。そして完全なハイブリッドモードに移行します。
第4段階 完全ハイブリッドモード
完全なハイブリッドモードです。走行中でもアクセルを緩めればエンジンは止まりますし、アクセルを踏み込めばエンジンがかかります。走行中にアクセルを緩め、回生ブレーキもかからない状態で走っていると、いわゆる”滑空”といわれる走行になり、燃費が伸びていきます。
私のプリウスが抱えていた問題
私のプリウスが抱えていた問題は、前記の”第3段階 アイドリングチェック”から”完全ハイブリッドモード”に移行せず、ずっとエンジンがかかりっぱなしだったのです。
どこかのHPで見て、「その場合は、車の電源をいったん落とすと良い」みたいなことが書かれていたので、車の電源を落とし、強制的に完全ハイブリッドモードに移行させていた(つもり)のです。
この作業を2~3年はやっていたでしょうか。平成15年式ですから、すでに10年以上はゆうに載っていますし、走行距離も20万を超えていますから、
「古くなってきたから仕方がない」
と半ば諦めていたのです。
「ぎりぎりまでプリウスには頑張ってもらって、いつか買い替えてやる!」
というように、逆にモチベーションにしていた部分も有りましたが、苦楽をともにしてきた相棒のような車なので、簡単に手放すのも嫌だったのです。でも一方で信号待ちで電源のオン・オフは本当にストレスだったのです。
ディーラーに相談しても、まったくよく理解してもらえませんし、プリウスには学習機能があるはずなので、しばらく乗っていれば治るかもと期待して乗ってもいました。
転機が訪れる
エンジンがかかりっぱなしの症状を、乗り換えるまでの我慢と思って諦めていたのですが、同じような症状の方をインターネットで見つけたのです!
そしてその方はある作業をすることによって改善したとのこと!
その作業は、
スロットルボディの汚れを落とす(掃除)
というものでしたが、そもそも”スロットルボディ”なんて言葉を初めて聞きましたし、車を分解するなど、下手したら「もう乗れなくなる」ということも最悪考えなければいけません。
しかし、もしもそれで改善するのなら・・・と大きな期待を寄せつつ、わたしは、いろんなサイトでものすごく調査をしました。
そしてたどり着いたのが、今回の作業です。
たぶん自動車整備のプロの方が見られたら、
「いやいやちょっとなにをしてるんですか」
とかツッコまれそうではありますが、わたしは総資金1000円、作業時間約15分程度で、ほぼ完全に治ったのです!
では早速その作業内容をご説明します。
実際の作業内容
購入したもの
KUREのエンジンコンディショナーです。
ホームセンターコーナンで購入しましたが、だいたいだいたい1000円ちょっとくらいでした。
購入したのはこれだけ。
プリウスを整備モードにする
プリウスはハイブリッドであるため、アクセルを踏み込まないとエンジンがかかりません。しかし、このエンジンコンディショナーを使用する際は、エンジンがかかっていないといけないので、強制的にエンジンがかかるようにしないといけません。
これを「整備モード」と言うようです。
ではそのやり方ですが、
まずはブレーキを踏まずに、電源ボタンを2回押します。
1回押すと緑が点灯し、
2回押すとオレンジが点灯します。
運転席前の表示はこの様になっています。
そしてこの状態になったらブレーキを左足で踏みます。これからエンジンがかかるまでは、ずっと左足でブレーキを踏んだままです。
そして、
- アクセルを2回ゆっくりと深く踏む
- ギヤをニュートラルに入れる
- アクセルを2回ゆっくりと深く踏む
- ギヤをPにする(Pのボタンを押す)
- アクセルを2回ゆっくりと深く踏む
すると、画面にマークが出てきます。
車のマークにビックリマークがついたものが点滅しますので、この点滅が確認できましたら、ブレーキを踏んだまま電源ボタンを押します。
するとエンジンがかかります。
これで整備モードになりました。ブレーキはもう離してもいいです。エンジンはかかりっぱなしです。
ボンネットを開ける
今度はボンネットを開けます。
すると左側の方に黒くて四角いものがあります。
これです。
手前側に3つクリップみたいなので止まっているので、針金の輪っかみたいなのを下に下げると、クリップが緩みます。
また箱の左側にも違った形のクリップがありますので、それを外します。そんなに固くはありませんので、簡単に外せると思います。
すると手前から箱を開けることができます。
こんな感じで開きます。フタを手前に引っ張るとフタそのものが簡単にとれます。奥の方でひっかけてあるだけです。
右半分が深くなっているので、覗き込みますと、
このよう中たちになっていて、ずっと奥の方に丸い金属の部品が見えています。
この丸いものがスロットルバルブと呼ぶそうで、そのバルブがある本体そのものをスロットルボディと呼ぶみたいです。
本来、スロットルボディを洗う場合は、部品を一個ずつ外していかないといけないのですが、私にはその技術がありませんので、外すのは諦めました。
エンジンコンディショナーを注入
エンジンがかかっている状態で、このスロットルバルブめがけてエンジンコンディショナーを注入してやります。
いやほんとにこんなことしていいのかどうか知りません。自動車整備のプロが見たら、
「やめとけ!」
と止められるかもしれませんが、わたしは祈りつつ、エンジンコンディショナーを注入するのでした。
エンジンがかかっているのでかなりドキドキです。
「もしかして注入した途端に逆流してやけどしそうな暑い液体が飛び散るのでは?!」
「注入した途端に、エンジンがガクンガクンいって、つぶれてしまうのでは?!」
「いきなりボンッ!と爆発するのでは?!」
そんな怖い想像を働かせながら、心臓をバクバクさせながら、おそるおそる5秒ほど注入しました。完全に腰が引けていました。
説明書には30~40秒とあったのですが、あまりに怖かったので、5秒にしておいたのです。
アクセルを踏む
注入したあとすぐに運転席に向かい、アクセルペダルを踏んで、エンジンをふかします。
YouTubeや他の人のHPなどを見ると「白い煙がでます」とありますが、わたしの場合は全然出ませんでした。
更にその後、おそるおそる2回目の注入をしました。
2回めも5秒程度にし、アクセルを踏んでエンジンをふかす作業を再度行いました。
2回やってもまだまだ怖かったのですが、大丈夫なようだったので、今度は10秒少々注入をしました。
ボンッ!!とはならずに、エンジンは特に問題なくきちんと回ってくれています。アクセルをふかし、さらにその後アイドリングを10分程度行いました。
特に音や振動はなく、
「これでいいのだろうか」
と若干不安ではありましたが、注入したことは間違いありませんので、これでいったん作業を終わることにしました。
フタはもとに戻して、ボンネットも締め、エンジンを切りました。
「エンジンがかからなかったらどうしよう・・・」
という不安がものすごくありましたが、いつもどおり電源ボタンを押すと、特に変わりなく、いつもどおりでした。
ハイブリッドモードに移行するか
エンジンがある程度冷えるまで、電源を落として3~4時間放置し、その後あらためて電源ボタンを押しました。(エンジンをかけました)
すると、特に変わりなくいつもどおりにエンジンがかかり、暖気モードに入っています。
しばらく道路を走り、エンジンが温まってくるのを待ちます。そして問題のアイドリングチェックの段階まで来ました。
もうドキドキです。
すると、ストンとエンジンが止まり、完全ハイブリッドモードになったのです!
もちろん電源のオン・オフはしていません!ブレーキを踏んで止まっていただけです!
懐かしいこの感じ!
いやー嬉しいです!ほんとに嬉しいです!
「いままでの電源のオン・オフはなんだったのだ」と思うとともに、25万キロ以上走ってくれている私のプリウスちゃんに、さらに愛着が湧いてきました。
平成15年式、不動産でいうと築15年、走行距離25万キロ超、古い型なので、後ろの車からなめられて煽られることも時々ありますが、それでもわたしはこの苦楽をともにしてきたプリウスとまだまだがんばれそうです。
何度も言いますが、自動車整備のプロの人が見たら、きっととんでもないことをしているのかもしれませんが、とにかく電源のオン・オフをしなくても、エンジンがストンと止まることが私にとっては最高の感動でした。
同じ症状をインターネットで書いていてくれた方、本当にありがとうございました。
こんなに悩んでいたことが、たったの1000円で治るなんて、本当にびっくりです。
もしも同じ悩みの方がいらっしゃったら、どうぞご参考になさってください。ただし、自己責任でお願いします!
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